「風が吹けば桶屋が儲かる」経済の世界
坪井 ここまでのポイントを簡単にまとめよう。
・為替、株、債券は連動して動く
・市場は「予測」で動いている
・お金は短期金利が高く動く方向の通貨に集まっていく
誰かの発言ひとつで、ぐるんとお金の動きが変わるということがよく分かると思う。
―「風が吹けば桶屋が儲かる」の世界ですね!
坪井 まあね。ただし、まったく同じ内容の発言でも、市場で「なあんだ、そんなものか」という失望感が勝るとまったく逆方向へ動くのでご注意を。
そうそう、日銀は政府からは独立しているけれど、安倍さんは当初、法律を変えてでも日銀の政策に介入するようなことを言っていたんだね。それで、「これは本気だ!」と思われたんだろう。最近は若干発言を弱めたけれど(2012/12/6現在)。
ただ、金融緩和なんてこれまで散々やってきたでしょ。それを今までより少し大胆にしたからといってどうなるのか、実はわからない。しかし、少なくともあの発言でお金が動いた。面白いよね。ちなみに、野田首相は日銀政策への介入は「ありえない」と一蹴していたね。しかし、前回も言ったけれど、実は自民党と民主党の目標物価上昇率は2%と1%で、それほどの差ではないんだ。
他の政策では、原発、TPP、消費増税、福祉…様々な要素がある。だから、有権者が「何に注目しているのか」ということを示す場でもあるんだよ。君が今、「何を達成したいのか」を整理するキッカケにもなるでしょう。
―「どうせ変わりやしない」とか言って、安易に投票を放棄しちゃいけないんですね。ちょっと反省。
坪井 そうなんだよ。最後に、注意してほしいことを話させて。
―ぜひぜひ!