自分の良く知っている領域ほど、
ゼロベースで考えることは難しい

 質問者はイベント企画の仕事に従事しているとのことですが、長年同じ仕事を続けていると、これまでのやり方が頭に染みついてしまっているために、新しいアイデアが生み出しにくくなるのは珍しいことではありません。

 同様に、教育業界の人に学校のテーマを、医療業界にいる人に医療のテーマを、航空業界の人には飛行機のクラス、行政に携わる人であれば行政区分について、「まっさらから考えてください」と言っても、業務経験年数が長ければ長い人ほど、そのハードルが上がることは想像できるのではないでしょうか。

 しかも、それが自分の経験した唯一の世界である場合(転職経験が少ないなど)には、それがさらに顕著に表れてくることになるでしょう。

 また、たとえ仕事上で直接関係していない分野であっても、利用者の立場で接している時間が長ければ、ゼロベースで発想することは容易ではありません。例えば学校の話であれば、いきなり新しい教科割を考えろといわれても、「学科といえば英国数理社」という発想から抜けるのがいかに難しいか、わかっていただけるかと思います。特に日本でしか生活したことのない人であれば、なおさらです。

 では、次になぜこのようなことになるかを考察していきましょう。