ニューノーマルの時代にはこれまでの勝ちパターンは通用しない。変革期に必要な新しい思考回路が求められている。それがアーキテクト思考だ。アーキテクト思考とは「新しい世界をゼロベースで構想できる力」のこと。『具体⇔抽象トレーニング』著者の細谷功氏と、経営共創基盤(IGPI)共同経営者の坂田幸樹氏の2人が書き下ろした『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考 具体と抽象を行き来する問題発見・解決の新技法』がダイヤモンド社から発売された。混迷の時代を生きるために必要な新しいビジネスの思考力とは何か。それをどう磨き、どう身に付けたらいいのか。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けする。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

なぜ、専門家ばかりの有識者会議からは新しいアイデアが生まれないのか?Photo: Adobe Stock

 第1回から第5回までの連載では『アーキテクト思考』の全体像について解説しました。第6回以降はアーキテクト思考の使い方について、読者からの質問に回答する形で事例を交えながら解説しています。

 本日の質問は以下になります。

「私はイベント企画の仕事をしています。夏になればこのイベント、冬になればあのイベント、と正直マンネリ化が否めません。何か斬新な企画を考えようと社内でブレインストーミングを重ねたところで、これといった目新しい案は生まれずに終わります。特にコロナ禍で物理的なイベントに制限がある中でこの仕事を続けるには、新しい何かが求められる事は重々理解しているのですが、長年のこの仕事をしていると、どうしてもこれまでの経験が邪魔をしてしまいます。画期的な案を生み出すためのヒントをいただけないでしょうか?」