自分の人生はこのままでよいのか。そんなふうに漠然ともやもやしているときには、自分の本当の目的はなんなのか、その目的を本気で達成したいのかと、自分に問い直す時間が必要だ。一歩前に進みたいとき、ちょっと背中を押してもらいたいとき、おすすめの一冊だ。(中崎倫子)

本書の要点

(1)諦めることは目的達成や夢の実現のための手段や方法を取捨選択することだ。
(2)夢を実現する努力ができる人とただ憧れるだけの人の差は、夢の実現に対する思いの強さだ。思いが強い人は自ら具体的な行動を起こすからだ。
(3)諦めが価値を持つのは、簡単には諦められないほどの取り組みをしているときだ。犠牲が伴うことがわかっていても、時間や労力を注ぎ込んだものを諦めなければならないときがある。そうした諦めは、未来で成功する確率を高める土壌となり、けっして無駄にはならない。

要約本文

【必読ポイント!】
◆諦めなければ夢は叶う 諦めるから夢が叶う
◇本当に望んでいれば、夢は必ず叶う

「夢」という言葉は「人生の目的」に近い意味で使われ、生きる目的は自分の夢を叶えるためだといえる。著者にとっての「自由」の定義は、「自分が思い描く夢に向かって、少しずつ近づいていく行為、自分がやりたいことを実現する過程や状況」だ。「夢」があり、そこに向かってアプローチする行為、「自由」があれば、それは同時に「幸せ」でもあるだろう。

 これまでの著作のなかで、著者は「本当に望んでいれば夢は必ず叶う」と繰り返してきた。「諦める」とは真逆の行為ではないかと思われるかもしれないが、そうではない。ただぼんやりと「あんな生活したいな」と呟くだけでは、「望んでいる」ことにならない。本当に「望む」なら、なんらかの行動が伴うはずだ。

 自分の時間と労力を使ってなにがしかの行動を起こし、継続すれば、夢は必ず叶う。少なくとも、目的に近づくことはできる。「諦める」とは、その夢に向かう行動を断念することだ。ここから「諦めなければ、夢は叶う」という法則が生まれる。夢が叶う前に死が訪れるかもしれない。その場合でも、一生夢を追いかけ続けたことになり、夢を叶えるのと同じくらい自由で幸せな人生となるだろう。しかし、多くの人は「行動」していない。その程度の「望み」では、夢はちっとも叶わない。