張り合うことをやめて、「付き合う5人」を変えてみよう
日本電気株式会社 フューチャーマーケットインテリジェンス本部 主任
2013年NEC入社。材料研究・新規事業開発に従事。2016年に留職プログラムを利用し、インドネシアの破棄物回収・処理を行っている社会的企業で働く。留職中、最終処分場(ゴミ山)を訪れたことがきっかけとなり、社会課題をビジネスで解決することに目覚める。帰国後、会社の事業として、また、個人の活動として挑戦中。最近の取り組みに以下のものがある。
・ESGやSDGsの概念が自然と組み込まれた事業が増えることを願い、BRIDGEsのメンバーとして勉強しながら啓発活動などを行う。
・コロナ禍で経営が厳しい観光関連産業を何とかしたいと思い、仲間と共に人を起点とした新たな観光サービスSo-Guを立ち上げ。徳島県を中心に魅力的な人を紹介している。
寺﨑:すごく素敵なマインドセットなので、そのまま貫いていけば周りからも愛されるんじゃないかなと思います。ただ、張り合えるレベルの人って大した人じゃないと思っているので、できれば自分が本当にいいなと思っている人から、どんどんいい人を紹介してもらってみてください。
大企業だとエースと呼ばれる人たちって同じ部署に固まっていたり、つながっていたりするんですよね。そういう人たちに会うと、張り合うというよりは、協力したくなったり学びたくなったりするんです。なので、いま張り合っている人たちを一旦置いておいて、エース級の人に辿り着くような動きに変えたほうがいいかなというふうに思いました。
遠山:プライドを持っているとか、ライバルがいるというのはすごくいいことだと思います。ただ少し範囲が狭いかなと。同期とか同僚を敵にしていても、そこでの勝ち負けってどれだけ意味があるのか疑問ですよね。その範囲だけ広げられれば、このまま突き進んでいただいていいんじゃないかなと思います。
松葉:私も皆さんと同じような回答なんですけど、まず「付き合う周りの5人」を変えてみたらいかがでしょうか。寺﨑さんが言っていたように、すごい人とつながるのもいいですし、すごく仕事ができる先輩にいろいろ教わるのもいいと思います。周りの人にいろいろ教えてもらって成長した結果、いつか自分も教えたくなるんじゃないかなって思いました。
額田:技で言うならば、聞く量を増やすっていうことですかね。おそらく質問者の方は主張が強いんだと思うんですけど、「口はひとつ、耳ふたつ」っていうぐらいの感覚で、聞く量を増やしたら、相手も理解してくれるんじゃないかな。いいキャラクターをしていると思うんですけど、たぶん相手の言うことを聞けていないんじゃないかなという仮説を立てました。
入山:いまチャットに「パーパスが大事」というコメントがありましたが、僕も近い感覚を持っています。結局、何のために働いているのかっていうことに尽きるかなと。自分のために働いていて、給料をもらって、会社をうまく使いこなして自分が得をすることがハッピーなのであれば、これでいいんじゃないかなっていう感じです。
ただ、会社から見ると最悪ですよね。これは日本の会社の課題なんですが、この方はベンチャーですけど、組織って大きくなればなるほど情報をシェアしなくなるんです。たとえば中国のHuaweiという会社だと、シェアが企業文化の中にしっかり浸透しています。自分たちの知見や情報をシェアすることの大切さを研修で徹底的に伝えて、評価制度にまで入れています。
実はグローバル企業と日本企業の最大の違いなんですけど、日本の会社って企業文化を戦略的に作らないんですよ。だから正直、会社のせいでもあるんですけど。会社のためにやるんだったら、ある程度は一匹狼じゃなくてシェアしたほうがいいんですが、この方は自分のためにやりたいのかなという気はしますね。
吉田:ありがとうございます。個人の問題と組織風土、文化の問題と入り混じっている部分かもしれないですが、個人でできることで言えば、何のためにここで働いているのかっていうところを見つめ直してみるというのも、ひとつの契機になるかもしれませんね。