キーパーソンと「根回しおじさん」をいかにしてつかまえるか
日本郵便株式会社 オペレーション改革部係長
1987年生まれ。日本郵便株式会社の有志団体「P∞(ピース)」代表。大学卒業後、郵便事業株式会社(現日本郵便株式会社)入社。郵便配達、基幹システム開発、営業職の支援業務を経て宅配便事業の運賃戦略再構築と広告宣伝に従事する傍ら、2015年の立ち上げから参画した社内有志団体「P∞」をきっかけに上司と共にドローン配送PJを立ち上げた。その後、省庁出向を経て、全国どこにでもモノが届く「持続可能な“あたりまえ”をつくる」を目標にドローン・配送ロボットを活用した既存事業変革に挑戦中。
伊藤:まずは技として、意思決定する人の右腕やキーパーソンをばっちり捕まえるというものがあります。世の中って往々にして、もちろん「何を言うか」っていうのも大事なんですけど、「誰が言うか」っていうのもすごく大事かなと思っていて。
たとえば、うちの会社だと、経営会議などの前に幹部に説明をするときには、隣に経営企画部の担当者にいてもらったりするんですけど、その方が横で合いの手を入れてくれるようにする。要は、自分たちがやりたいと思っているものを説明している横で、別の部署の人が「それ、いいじゃない!」とか「そういうこともあるよね」ってポジティブなことをひと言言ってくれるだけで、それを聞いている意思決定する方のマインドが前向きになりやすくなるんですよね。
寺﨑:うちの会社もこれは多々あります。よく言いますけど、バッと自転車で速く走っていた人がすごそうに見えるけれど、よくよく考えてみたら新幹線で行ったほうがよかったとか。いろんなことがあると思うので、スピードだけが勝負じゃないと思いますし、手間をかけるっていうことが全部悪いことじゃないと思っているので、どうして時間がかかっているのか、なぜ手間をかけているのかというところを、しっかり噛み砕いてみるのがいいのではないでしょうか。
入山:まずひとつは、他の設問もそうなんですけど、この辺っていわゆるクラウド系のいろいろなサービスを入れると解消する問題だと思います。今回だとkickflowを入れれば一発で解決します。なのでまず皆さんSlackとkickflowと、あとジョブカンとか、早く入れましょう。別に僕は回し者じゃないですけど(笑)。
あとは皆さんおっしゃるように、基本的に上と握るしかないです。僕の周りでも大企業で何かを動かせている人たちって、上と握っちゃうんですよ。たとえばWiL(ウィル)というベンチャーキャピタルの伊佐山さん。WiLが大企業とうまく連携できているのは、彼自身が社長をよく知っているんですよね。それで社長が一気に決めちゃう。ただ彼が上手なのは、ちゃんと中間層の顔を立てる稟議の上げ方をしているところです。
あとは、社内にはだいたい「根回しおじさん」がいます。仕事のラインからは少し外れているんだけど、意外とリスペクトはされているような。そういう人をうまく使って根回しして、早く上げていくっていうことがすごく大事かなっていうふうに思います。根回しというとネガティブに聞こえますが、本当に意思決定するときは根回ししないと動かないので。