【お寺の掲示板100】コロナ禍で知る日々の努力と人々のつながり鳳林寺(静岡) 投稿者:@holyji [2021年4月1日] 

日々の努力とありのままの自分

 続いては、宗派を超えた僧侶とさまざまな人々の協同を支援する一般財団法人「寺子屋ブッダ」による「寺子屋ブッダ賞」受賞作品をご紹介します。静岡県清水市にある曹洞宗の鳳林寺の作品「磨いても 磨いても 光らなかった でも 腕力はついた」です。この言葉は、奈良県の唯称寺というお寺の掲示板が出典となっています。

 目標に向けていくら努力しても、それを達成できないときがあります。そのときは大変悔しい思いをしますが、あとになって自分の姿を冷静に見ると、そのチャレンジの中でさまざまな能力が身に付いていたということがあります。講評は以下の通りです。

「ありたい自分」の姿に振り回されるのではなく、自分をありのままに見つめることから希望を見つけだす。この姿勢で生きていきたいものです。人を育てる立場の人には、ぜひ胸にしまっておいてほしい名文です。

「人間万事塞翁(さいおう)が馬」ということわざのとおり、何が良いことなのか、のちのちにならないと分からないことは珍しくありません。その意味でも、この世に完全な失敗などはありません。ですから、限られた人生の中で、さまざまなことにチャレンジしてみることがやはり大切です。わたしたちにとって、すべての経験は有り難いものであり、「人生に一つも無駄はない」ということをしっかり覚えておきましょう。

【お寺の掲示板100】コロナ禍で知る日々の努力と人々のつながり湯川寺(北海道) 投稿者:@tsutsu111111 [2021年9月29日] 

 受賞作品ご紹介の最後は、お寺との良いご縁を見つけるためのサイト「お寺の窓口」による「お寺の窓口賞」です。北海道は函館市にある浄土宗の寺院、湯川寺の作品「小さな継続 大きな実り」が選ばれました。非常にシンプルですが、日常生活の中で大変重要な言葉です。講評は以下の通りです。

 目先の結果を求めるよりも、後先のことを考えて行動することが人生にとって大事だと思います。因果因縁は小さなことをコツコツと行い、大きな結果につながる、それは人生において各々の生き方について説かれていると感じました。

「小さな継続」ということで、おかげさまでこの掲示板の連載も、今回で100回目を迎えました。この連載が始まった4年前の秋には、まさか100回も続く連載になるとは、私も含めて誰も思っていませんでした。ここまで継続できたのは、掲示板を書かれた寺院関係者の方々や撮影されご投稿いただいた皆さま、読者の皆さまのおかげです。ご協力いただきました多くの皆さまに心より深く感謝申し上げます。

 2022年も、例年通り7月1日から第5回となる「輝け!お寺の掲示板大賞2022」を開催する予定です。年々力作が増えており、来年もどのような掲示板の作品が集まるか楽しみにしております。では、よいお年を。