【お寺の掲示板100】コロナ禍で知る日々の努力と人々のつながり明淳寺(岐阜) 投稿者:@mazerutetote [2021年10月14日] 

人のつながりは言葉を掛けることから

 受賞作品も残すところ、3件となりました。まずは、「お寺のある生活」をお届けするインターネットサイト「まいてら」の「まいてら賞」をご紹介します。受賞作品は、岐阜県関市にある浄土真宗本願寺派の明淳寺の作品「もっとも優しい言葉はその人の名を呼ぶことである」です。

 確かに相手の名前を口にすることは、優しさや気遣いとつながっていると思います。浄土真宗ではお念仏を称(とな)えますが、それは阿弥陀仏の名を呼ぶことであり、その行為も阿弥陀仏のお慈悲(優しさ)を感じることと密接につながっているからです。講評は以下のとおりです。

 オンラインが隆盛となり、名前を呼ばれることが少なくなったこの一年。リアルコミュニケーションが少なくなったことで失われたものの一つが、名前を呼ばれるということではないでしょうか。「名前を呼んでもらうこと」は、自分の尊厳を端的に表す象徴。仏教的には阿弥陀仏の名前を呼ぶことによってもたらされる優しさだと思いますが、身近な実生活においては「人の名を呼ぶこと」が、今求められ、誰にでもできる優しさのように思います。

 新型コロナウイルスの出現は、人間のコミュニケーションに大きな変化を及ぼしました。2021年の年末時点では直接会うことによるコミュニケーションが可能となりましたが、今後新たな変異株の登場によって、再び家に籠もらなければならない時期が訪れるかもしれません。そのようなときには、家の中で仏様の名前を呼んで(念仏を称えて)みてはいかがでしょうか。