「11倍の倍率を通ってくるんですから、もう皆きれいです」

 同じくコメに関して失言したのは、川勝平太静岡県知事。10月23日に浜松市内で行われた選挙応援演説で、御殿場市と浜松市を比較して「あちらはコシヒカリしかない」と発言したことが批判を浴びた。その後、自民党の議員らが抗議文を提出し、知事は謝罪。不信任案も提出されたが、可決には至らなかった。

 さらにこの後明らかになったのが、女性差別発言。6月の選挙期間中に静岡県富士市で開かれた集会で、自らが学長を務めていた静岡文化芸術大学の学生について、こう話す音声データが残っていた。

「8割くらい女の子なんですね。11倍の倍率を通ってくるんですから、もう皆きれいです。めちゃくちゃ顔のきれいな子は、あまりこう、賢いこと言わないとですね、なんとなくもう、きれいじゃなくて、きれいに見えないでしょ。ところが全部きれいに見える」

 まず、外見についてことさらに取り上げることは、2021年現在ではルッキズムであるとして嫌われる。また、「11倍の倍率」とは学力の話であって、その倍率を勝ち抜いたから「皆きれいです」は、意味が通らない。

 その後の「めちゃくちゃ顔のきれいな子は」からの発言は日本語として意味が取れないが、賢さと容貌を関連づけようとする意図はうっすらと読み取れる。

 この発言について記者に問われた知事本人も「ほとんど意味をなしていないと思いますね。ともかく正確ではなくてですね、これは恥ずかしい発言だと、申し訳なかったと思っております」と意味不明な発言であることを認め、謝罪している。