就活で苦しんでいる友人へ具体的に伝えられる解決策

 学生は利用が無料であり、ABABAに登録するデメリットはない。SNSでも、ABABAへの肯定的な意見が目立つ。志望していた企業の採用を逃したことは残念だが、これまで接点のなかった企業や業界からダイレクトにアプローチがあり、自身の視野と可能性が広がるきっかけにもなるだろう。

久保 登録学生者数はどんどん増加し、沖縄から北海道までで、現在2000人ほどとなりました。ありがたいことに、学生からは肯定的な口コミを多くいただいています。一部をご紹介します。

 定型文で“お祈り”されることに、逆に腹が立っていたこともありました。そして、不採用通知を見ると、「自分は必要ない人間なのか」と落ち込んでもいました。そんな時に「相性が悪かっただけでこちらの企業ならば合うかも」と推薦してもらえたら前向きになれます。

 よく最終面接で落ちてもES(エントリーシート)で落ちても一緒だといわれます。でも、個人的にはそんなことはないと思うんです。それまでの過程の努力や学びは、絶対に今後の力になると信じています。だから、その頑張りが引き継がれるサービスには心から共感しています。

 学生は、不採用となった企業からの紹介か、「最終面接まで進んだこと」を自己申告で証明することでABABAに登録することができる。現在の登録者の約68%が友人に背中を押されて登録した学生だ。

久保 これまで、就活について友達と話すことはタブーのようになっていました。就職が決まっている同士ならばよいのでしょうが、決まっていない学生にかける言葉がなかったのです。しかし、ABABAは苦しんでいる友人に具体的な解決策として提示できるツールです。

 2022年も、コロナ禍で、企業の人事担当者と就活生の手探りの“出会い”が続いていくだろう。せっかくの出会いを、お互いにとって不本意な別れにしないことが大切だ。そうしたなか、「就活うつ」という課題解決の可能性もあるプラットフォーム「ABABA」は、企業と学生の活用が広がっていくことで、これまでになかった就労観や就活スタイルへの変化を生むかもしれない。

久保 「ABABA」は、現在も多様なジャンルの企業様に登録いただいていますが、さらに活用の価値を広く実感していただけるよう努力していきたいです。また、大学生にとって就活は大きな心の負担になっています。そこで、就活生だけでなく大学1~2年生の段階からABABAの存在を知ってもらい、学生たちに「このセーフティネットがあるから大丈夫!」と思ってもらい、就活を恐れることなく、自分に合った挑戦ができるようになっていってほしいと願っています。