コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の鉄道(JR)編だ。
JR4社が再びピンチ、時系列で明らかになる
「インフラなのに瀬戸際」な理由
鉄道(JR)の主要4社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯JR東日本の鉄道営業収入
7月度:前年同月比117.1%(17.1%増)
8月度:同99.9%(0.1%減)
9月度:同92.2%(7.8%減)
◯JR東海の新幹線の利用状況
7月度:前年同月比130.0%(30.0%増)
8月度:同125.0%(25.0%増)
9月度:同87.0%(13.0%減)
◯JR西日本の運輸取扱収入
7月度:前年同月比116.6%(16.6%増)
8月度:同105.2%(5.2%増)
9月度:同88.0%(12.0%減)
◯JR九州の運輸取扱収入
7月度:前年同月比125.2%(25.2%増)
8月度:同98.5%(1.5%減)
9月度:同87.3%(12.7%減)
今回取り上げた5社の21年9月度の業績に注目すると、97.0〜92.2%を記録している。前年割れではあるが、大崩れはしていないように見える。しかし、9月度の表面的な数値を見ただけでは決して分からないが、4社の状況は「瀬戸際」にある。業績データを時系列で確認しながら、その理由を深掘りしていこう。