コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本製鉄、住友金属鉱山などの「製鉄/金属製品」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
製鉄/金属製品6社は
いずれも増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製鉄/金属製品業界の6社。対象期間は21年7~9月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本製鉄
増収率:49.6%(四半期の売上収益1兆6608億円)
・住友金属鉱山
増収率:40.6%(四半期の売上高3036億円)
・ミネベアミツミ
増収率:2.8%(四半期の売上高2820億円)
・日立金属
増収率:23.3%(四半期の売上収益2295億円)
・JFEホールディングス
増収率:40.8%(四半期の売上収益1兆540億円)
・神戸製鋼
増収率:26.5%(四半期の売上高5089億円)
※神戸製鋼は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
製鉄業界の6社はいずれも前年同期比増収だった。中でも日本製鉄、住友金属鉱山、JFEホールディングスは4割超の大幅増収となっている。この要因は何だったのか。
次ページ以降で詳しく解説するとともに、各社の増収率の推移も併せて紹介する。