【行ってはいけない】いきなり大病院に行くと5000円の損になる話撮影 疋田千里

ほとんどの人に共通する悩み、それは「お金の悩み」だ。「お小遣いが足りない」、「毎月家計が赤字」、「家を買いたいけど頭金がない」、「老後のお金をどうしよう」……。そして誰もが、こう思う。「一生、お金に困らない生活をするにはどうすれば良いのだろう」と。そんな悩みに応える1冊が、経済ジャーナリスト荻原博子氏の生お金に困らない お金ベスト100だ。この1冊に、いろいろなお金の秘策が詰め込まれている。今回は著者インタビューに続き、本書の内容を一部抜粋して紹介する。

年末年始も要注意!

 紹介状もなくいきなり大病院に行くと、5000円から1万円の「特別料金」が上乗せされるのをご存じですか?

 たとえば、地元のお医者様で診てもらうと、初診料は2880円ですみますが、紹介状もなくいきなり大病院に行くと、プラス5000円から1万円余計にかかるということです。

 医療費が3割負担の人の場合、医者にかかるときの費用は自己負担が3割、高額医療の場合は「高額療養費制度」で医療費はもっと安くなります。でもこの「特別料金」は全額自費で、健康保険が適用されません。

 ですから病気になってもいきなり大病院には行かず、とりあえずは、近所の信頼できる「かかりつけ医」に診てもらう方がいいでしょう。

750円で5000円のトク!

 ちなみに、かかりつけ医に大病院への紹介状を書いてもらうと「診療情報提供料」がかかるのですが、これには健康保険が適用されるので自己負担3割の750円ですみます。紹介状があるとなにかと優先的に診療を受けられますから、時間的にもおトクです。

 大病院は、専門が細かく分かれています。ですから多くの人は、「病気になったら大病院で診てもらったほうが安心だ」と思うかもしれません。

 でも、お医者様は専門家だからこそ、皮膚の疾患で皮膚科に行ったら皮膚の薬をもらったけれど、実の原因は内臓疾患だったなんてケースもありえます。

 そういうとき街場の医者は、専門は持ちつつも、さまざまな症状の患者を広く診ているので、初診でたしかな診察をしてもらえることがあるものです。

 ですからまずはかかりつけ医に診てもらい、そこでは手に負えなかったり、より詳しい検査が必要になってはじめて、大病院の適切な診療科に紹介状持参で行くほうがいいのではないかと思います。

まずはかかりつけ医に診てもらう

 日本は高齢化社会を迎え、医療が逼迫していく状況にあります。

 これは日本でも、アメリカのホームドクターにあたる「かかりつけ医」を持つことで、街場の医者が診てなんとかなる病気は、そこで解決してくださいという制度でもあるのです。