ゴルフは郊外の施設に出かける必要があるため、朝早くから夕方過ぎまで長く時間を拘束される一日がかりのスポーツだ。そのためビジネス相手と親睦を深める場としてのゴルフを、「非効率だ」と考える経営者も少なくはない。

 また、若い世代には「おじさんのやるもの」「プレイ時間よりも待ち時間や移動時間が長く、純粋なスポーツとは言い難い」というネガティブな印象もあるかもしれない。

 しかし筆者の経験から言っても、「1日がかりでゴルフをプレイしながらコースを回る」経験は、会食の席などでは得難いものがある。ゴルフには人柄が出るということもあるが、一緒にラウンドすることで、ぐっと距離が縮まり、心が通った気になるのだ。

 筆者は、ビジネス誌「プレジデント」の編集長時代に方向性の違いからわだかまりができてしまった星野貴彦プレジデントオンライン編集長と先日、コンペで同じ組でゴルフをした。18ホールをワーワー言いながら回っていると、もともと何でわだかまりをつくってしまったのか、正直、どうでもよくなった。狭く無機質なオフィス内ではどうしても相手の欠点や、お互いに相いれないところにばかり目が行きがちだが、ゴルフ場ではそうはならない。

 それにしても同じ時期にゴルフを始めたはずなのに、星野はどうしてこんなに上手になったのか。そして、なぜ私はうまくならないのか。私は、YouTubeを見て買ってしまった、高額の自立式パターを自慢するのがやっとだった。