安倍元総理が成功させた
トランプ前大統領との「ゴルフ外交」

 初対面の相手、これからビジネスをやろうとする相手の場合はなおさらゴルフを共にプレイするのが効果的だろう。

 2016年、世界の多くの人々の予想を裏切って、ドナルド・トランプ米大統領が誕生した。その際、真っ先に米国へ飛んでトランプ氏との面会に成功した日本の安倍晋三総理(当時)は、共通の趣味であるゴルフでトランプ氏との親睦を深めた。

「最初に会った時、トランプ大統領に三つの話をしようと思っていました。一つ目は中国の安全保障上の問題。二つ目は日米の貿易収支。三つ目はゴルフの約束をすること。トランプ大統領はすぐ乗ってきたけれど、社交辞令かと思ったら、その後すぐに具体的な日程調整になった」

 そう述べた安倍氏とトランプ氏の「ゴルフ会談」は成功裏に終わり、その蜜月が国際的にも報じられることになった。その後の日米関係の深化は言うまでもない。

「日本が核やミサイルで攻撃を受けたときに、私がトランプ氏に言えば、トランプ氏は必ず反撃する。そういう関係を世界に見せつける必要があった」(安倍氏)

 ゴルフがまさに国際情勢にも影響した瞬間だったといえるだろう。