また、中国やロシアに対しては「陸上や海上、宇宙、サイバー空間で引き続き国際ルールを違反している」と指摘した。

 そして、「私たちは極超音速の脅威への対応から宇宙基盤能力に至るまで、浮上する防衛関連問題に対し、科学者や技術者、プログラムマネージャーがより容易に協力できるよう新しい研究・開発合意を進める」と述べた。

 ロイド・オースティン国防長官は「北朝鮮の核への野心と中国の強圧的で攻撃的な行動によって提起された挑戦を目の当たりにしている」との現状評価を行った。

極超音速ミサイルは
韓国にとって新たな脅威

 極超音速とはマッハ5以上の速度をいう。極超音速ミサイルは弾道ミサイルと巡航ミサイルの長所を兼ね備えており、探知や迎撃が不可能なほどに速いため、非常に脅威度の高い武器体系とされる。これまでに極超音速ミサイルの発射実験を実施した国は米国、中国、ロシア、北朝鮮だけである。

 北朝鮮の発表によると、今回の極超音速ミサイルの飛行距離は韓国全土を射程に収める700キロメートルであり、これは2カ月前の200キロメートルと比べ格段に進歩している。

 また、今回のミサイルは北朝鮮北部の慈江道から日本海に向けて発射されたが、これを南に向ければ、済州(チェジュ)島を除く韓国全域と在韓米軍基地を射程に入れる。これによって当面直接的な脅威を受けるのは、日本でなく韓国である。

 米国内の専門家は今回の極超音速ミサイルについて「相当な発展速度だが、発射試験成功の主張をそのまま信じるのは難しい」とし、「北朝鮮の主張を裏付ける追加的な資料が必要だ」と指摘する。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)のイアン・ウィリアムズ・ミサイル防衛プロジェクト副局長は、「北朝鮮が主張している技術力を確保するのは容易ではない。ごく少数の国だけが関連技術を保有・開発中と知られており、外部の支援があったとみている」と分析している。

 日本の防衛省も飛行距離を500キロと分析している。

 また、北朝鮮が標的に命中したという主張に対しても、多くの専門家は疑問を呈している。