アセスメントの仕組みである「1on1チェック」とは?
「現場での効果実感」につながる施策としてあげたいのが、「1on1チェック」というアセスメントの仕組みです。本格導入から16年5月までの4年間、四半期に1度のペースで行っていました。部下が上司との1on1について評価し、上司がその集計結果を受け取るというものです。上司自身が定点観測できるよう、セルフチェックしてもらうのが狙いです。
もし、1on1チェックをやっていなかったら、ヤフーでの1on1は定着しなかったかもしれません。フィードバックは、ネガティブ・ポジティブのいずれにせよ、真剣に取り組んでいる人にとって励みになるものです。また、ビフォーとアフターの比較もできますから、1on1のクオリティーアップにもつながります。こうしていくうちに、コーチングや傾聴などのスキルを身に付けようとする管理職が増えていきました。
この1on1チェックですが、ヤフーでは16年上半期をもって全社としては休止しています。浸透期における現場での実施状況や満足度が一定のレベルに達したと判断したためで、新たなマネジメント調査の仕組みを検討しはじめました。
したがって、16年下半期以降は、新任管理職向け研修を除けば、1on1について会社からの指示はほとんどなく、社員の裁量に任せてきたことになります。
20年4月に東京に最初の「緊急事態宣言」が出され、ヤフーでは特定の職種を除き、完全にリモートワークにシフトしました。それから1年半以上が経過し、社内コミュニケーションの重要性がますます注目されるようになりました。このような職場環境の中、1on1がどのように機能しているのかが大きな関心事となりました。そして21年6月に、1on1の実態についてのアンケートを5年ぶりに行うことになりました。