コロナ禍で、社内インフラとして再認識された1on1
アンケートは、1on1の実施頻度や各種効果実感、そして総合満足度など、16年の「1on1チェック」と比較するための質問を中心に設計しました。
今回のアンケートでは、1on1の実施総合満足度は、4段階のうち、「満足」「やや満足」を合わせて92.9%に達していました。大半の現場で1on1が役に立っているとみてよいかと思います(16年2月の調査では86.8%)。また、隔週以上の頻度で実施していると回答した社員は93.3%(同88.8%)に達しました。1on1がほぼ定着しているといってよさそうです。
さらにデータを分析していくと、新しい事実もわかってきました。頻度のうち、「週1回以上」を抽出すると、16年2月の63.3%から今回は75.0%に上昇していました。頻度が大きく上がっていたのです。
リモートワークのため、会社で顔を合わせないからこそ、週に1度の1on1が貴重な機会になったという職場もあるかもしれません。しかし、ここでお伝えしたいのは、経営や人事が特別な施策を講じなくても、自分たちで必要性を感じて活用していたということです。社内に不可欠なコミュニケーション・インフラのひとつになったといってよいところまできたのだと思います。
調査にあたった、ビジネスパートナーPD本部 組織・人財開発部の岩楯旭代はこう言います。「1on1実態調査ではフリーコメント欄を設けていたのですが、部下から上司への感謝の気持ちを表す言葉が思いのほか多かったことに驚きました」
ヤフーで1on1が浸透したのは、習慣化するまで、現場にフィードバックする仕組みを持っていたからだと考えています。それが「1on1チェック」というアセスメント・ツールであり、現場の管理職に健全なフィードバックを届け、定着させるための要となったのです。