
自動車業界は就業人口が多く、日本経済の中での存在感は極めて大きい。春闘では、トヨタ自動車が、賃上げのけん引役としての役割を果たしてきた。特集『25年 給料ランキング』の#15では、自動車業界の社員の待遇を明らかにするために、自動車メーカー主要9社の給与ランキングを作成した。1位はトヨタの年収980万円超だったが、「増加額も増加率もトップ」の“攻めの賃上げメーカー”が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
盤石のトヨタは5年連続「満額回答」
日産凋落で、2位以下の業界秩序に異変!
2025年の春闘も、大手自動車メーカーは、高水準の賃上げを行った。トヨタ自動車は5年連続の満額回答で、最も高いケースで月額2万4450円の賃上げ。ホンダも1万5000円の賃上げで妥結した。経営再建中の日産自動車も、組合要求の月額1万8000円には届かなかったが、1万6500円で妥結し、賃上げ率は4.5%と高水準だった。
各社とも、IT企業などとの人材争奪戦が激化していることを背景に、果敢な人材投資を行っているのだ。
では、自動車大手各社の社員の待遇はどのように変化しているのだろうか。ダイヤモンド編集部は、トヨタ、ホンダ、日産、三菱自動車、マツダ、SUBARU、スズキ、いすゞ自動車、日野自動車の9社の6年間の年収を分析し、ランキングを作成した。
平均年収では、トヨタが980万円超でトップだったが、前年度から「増加額も増加率もトップ」の“攻めの賃上げ自動車メーカー”があることが分かった。いったいどの自動車メーカーか。
次ページでは、自動車メーカー9社の最新年収ランキングと共に、年収増加率やコロナ前からの年収の推移を公開する。