新型コロナの感染拡大により、エンターテインメント業界で苦境に立たされる企業が増えている。昨秋に民事再生法を申請した、70年の歴史を持つ劇団「わらび座」もその一つだ。今後、非営利組織に体制を変えて再建に取り組む予定で、芸術文化を守る新たなスキームとして注目されている。(東京商工リサーチ情報部 増田和史)
芸術文化を守る
再建スキームとして注目
2021年11月、秋田県仙北市を拠点に演劇公演を手掛けてきた劇団「わらび座」を運営する(株)わらび座(仙北市)が、秋田地裁から民事再生開始決定を受けた。負債総額は14億4600万円だった。
民俗芸能をベースにした国内有数の劇団で、2021年は創立70年を飾る年でもあった。長い歴史と多くの実績を誇る劇団も、コロナ禍で公演のキャンセルや自粛が続き、運営する宿泊施設も休業に追い込まれ経営が悪化した。