スタンドプレーをしているわけではないのに、物事をスムーズに進めている人は周りにいないだろうか。実は、彼らには共通する「思考法」がある。その思考法は驚くほどシンプルだ。(リポタ株式会社代表取締役、経営コンサルタント 中野豊明)
話がトントン拍子に進む人は
「思考法」が違う
ビジネスでもプライベートでも交渉の現場で、相手の発言に思わず「うまいなあ」とうなった経験や、ビジネス会話で、相手の話に「なんだか気持ちよく話が進む」と感じた経験はないだろうか。
昔、私はコンサルティングの提案コンペで、競合に負けたことがある。後で顧客からのフィードバックを聞いたときに、「そういうことであれば、コンペに負けて当然だ」と実感した。
その顧客によると、競合は、話を聞いた顧客が「次に聞きたい」と思っていた事柄や質問を、全て先行して説明や提案をしたというのだ。
人は、自分が知りたいと思っている事柄に対して、先回りして説明をしてくれる相手に、圧倒的な安心感や信頼感を持つ。そうした相手は、第一に自分のことをよく理解していると感じるし、自分の課題や懸念も分かった上で、適切な解決策を提示してくれていると感じるからだ。