他人からの評価が第一優先

 以前、まだ大学に入ったばかりの頃、こんなことを言われてとても驚いたことがありました。

「俺なんて、他人の評価が第一優先だけど」

 私は、こいつはなんて薄っぺらいやつなんだ、とそのとき思いました。

 自分がない。軸がない。他人から見られた自分はどうか、というものさしが第一優先であり、自分の意思はどうでもいい。みんなから「すごいすごい」とちやほやされればそれでいいのか、と。彼を軽蔑さえしました。

 でも、就職活動を終え、社会に出て働くようになり、ブログで承認欲求について書くようになり。

 ようやく気が付きました。目が覚めました。

 私こそ、承認欲求がすべての拠り所であったということに。

 私が描いていた理想像は全て、「他人に羨ましがってもらえるか」が基準だったのです。

綺麗な服を着て、
いつも洗練されていて、
上品で、
賢くて、
仕事も出来て、
みんなに優しくて、
いつも自由で自分の信念を持っていて
人の目なんて気にすることなく、自信がたっぷりあるように見えて、
誰もが好きにならずにはいられないような存在。

 そういういい女になりたいと思っていました。

 そうです。「他人からの評価が第一優先」だったんです。私には彼を軽蔑する資格なんてなにひとつなかった。むしろ正直に自分を認められていた彼の方がずっと人間が出来ていたんじゃないかと思います。

 でも、私が抱いていた「上品で」「賢くて」「人の目なんて気にしない」というのはあくまでも、「イメージ」でしかない。

 そのイメージの先には、なにもないんです。

 結局「みんなから憧れられるような自分」になりたいと思っていただけで、何かを成し遂げたいという目標なんて、何もない。やりたいことも、何も見つからない。

 本当に成功する人というのは、そのイメージの先に必ず目標があるものです。

 それは「お金」でも「地位」でも「名声」でもなく。

 結局は、自分が究極的に面白いと思えることを追い続けられる強い欲求。

 つまり、達成欲求です。

 承認欲求に振り回される私のような人間は、その達成欲求が強い人たちの真似事をして、ただカッコつけているだけだったんです。