管理職は「自分の力」ではなく、「メンバーの力」で結果を出すのが仕事。それはまるで「合気道」のようなものです。管理職自身は「力」を抜いて、メンバーに上手に「技」をかけて、彼らがうちに秘めている「力」を最大限に引き出す。そんな仕事ができる人だけが、リモート時代にも生き残る「課長2.0」へと進化できるのです。本連載では、ソフトバンクの元敏腕マネージャーとして知られる前田鎌利さんの最新刊『課長2.0』を抜粋しながら、これからの時代に管理職に求められる「思考法」「スタンス」「ノウハウ」をお伝えしていきます。

”できるリーダー”が「短時間の会議」でチームを動かす秘訣とは?写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

チーム内の「会議・ミーティング」を
適切にデザインする

 私は、担当チームの定例会議は「30分」を基本としていました。

 会議そのものは「1円」たりとも生み出しません。成果を生み出すのは、あくまでも現場の活動。管理職が会議に無駄な時間を費やすことで、メンバーの活動時間を奪うようなことをしてはならないのです。

 だから、管理職は、定例会議に費やす時間を最短にしながら、質の高い意思決定ができるように工夫を凝らす必要があります。そして、そのために真っ先に考えるべきなのは、チーム内で行われるさまざまなミーティングや打ち合わせを適切にデザインすることです。

 まず第一に、定例会議にかける議題を減らすことを意識します。

 議題が多ければ、必然的に長時間の会議にならざるを得ませんし、その結果、メンバーの集中力を欠いた会議となって、意思決定の「質」も低下します。そのような悪循環を避けるためには、定例会議にかける議題の数そのものを絞り込む必要があるのです。

 そこで、重要になるのが、定例会議以外のミーティングや打ち合わせです。

 チーム内で行われる会議は、会議室にメンバー全員が集まって議論する定例会議だけではなく、メンバーがホウレンソウをしてくれたときなどに一対一で行う打ち合わせもあれば、少人数で集まって議論やブレストをするミーティングもあります。こうした場においても、管理職の権限において積極的に意思決定を行うことによって、定例会議にかける議題を「重要性の高い案件」のみに絞り込むのです。

”できるリーダー”が「短時間の会議」でチームを動かす秘訣とは?前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学で書道を専攻(現在は、書家として活動)。卒業後、携帯電話販売会社に就職。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。その間、営業現場、管理部門、省庁と折衝する渉外部門、経営企画部門など、さまざまなセクションでマネージャーとして経験を積む。2010年にソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認され、ソフトバンク子会社の社外取締役をはじめ、社内外の複数の事業のマネジメントを託される。それぞれのオフィスは別の場所にあるため、必然的にリモート・マネジメントを行わざるを得ない状況に立たされる。それまでの管理職としての経験を総動員して、リモート・マネジメントの技術を磨き上げ、さまざまな実績を残した。2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、プレゼンテーションクリエイターとして活躍するとともに、『社内プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』『課長2.0』(ダイヤモンド社)などを刊行。年間200社を超える企業においてプレゼン・会議術・中間管理職向けの研修やコンサルティングを実施している。また、一般社団法人プレゼンテーション協会代表理事、情報経営イノベーション専門職大学客員教授、サイバー大学客員講師なども務