米政権のメタン排出規制、牛のゲップは対象外Cows feeding at Marilyn Hershey's dairy farm in Cochranville, Pa.

【ワシントン】米バイデン政権は、エネルギー業界のメタンガス排出を抑制するため、パイプライン規制を強化し、数十億ドルを投じて廃坑やその他の温室効果ガス発生源を除去するなどの積極的な対策を講じている。

 一方、酪農や畜産も同様にメタンの主要な発生源だが、そこまで厳しい措置の対象になっていない。

 バイデン政権は昨年、家畜飼料の研究や排せつ物処理に伴うメタン回収システムの拡大を推進する各種プロジェクトに2億ドル(約230億円)以上を投じる案を支持し、その際、酪農家がメタン排出量を自主的に削減できるように支援していきたいと述べた。

 だが、酪農分野を対象とした新たな大気汚染規制案は示されなかった。

 米環境保護局(EPA)のマイケル・リーガン長官は最近、酪農のメタン排出規制について質問され、「いま検討中だ」と答えた。「年内に答えが出るとは約束できないが、リストに載っている」

 EPAによると、米国のメタン排出量のうち、肉牛や乳牛、豚など家畜によるものが約27%を占めている。大半はゲップが発生源だが、さらに10%は排せつ物を堆肥化する過程で生じる。