2040年「仕事とキャリア」年表写真はイメージです Photo:PIXTA

日本の昔ながらの雇用制度は崩壊し、アメリカ型のジョブ型雇用がついに日本でも始まる。弁護士で国際経営コンサルタントの植田統氏の新著『2040年「仕事とキャリア」年表』からの抜粋で、日本でも今後浸透していくであろうジョブ型雇用とはどういったシステムかを解説していく。前回説明したアメリカ企業の「3つの階級」間に存在する、激しい給与格差の実態について解説する。

上級職員は年俸制で
成果によって昇給に格差

 前回はアメリカ企業のジョブ型雇用において形成されている、社員の3層構造について説明しました。では、階層間の給与差はどうなっているのでしょうか。

 現場労働者や中級職員は、与えられた職務を確実にこなしていけばよく、成果主義の対象になりにくいので、賃金に大きな差がつくことはありません。

 現場労働者は、時間給が基本です。工場の労働者なら、1時間当たり15ドル、20ドルと時間給が定められていて、それに働いた時間を掛け算して給与が支払われます。そして、時間給の設定も同じ仕事をしていれば、基本的に同じ金額になります。年収にすると、おおむね4万~5万ドル(440万円~550万円)というところでしょう。

 中級職員では、年俸制が取られていますが、これもまた大きな業績格差のつくような仕事は任されていないので、かなり狭いレンジの年俸が設定されているようです。こちらの年収は5万~8万ドル(550万円~880万円)というところではないでしょうか。