年収が「非上場化」で上がる会社ランキング【大阪府・全300社完全版】

 年収が「非上場化」で上がる会社ランキング【大阪府】で、1位となったのは京阪神ビルディングだった。年収上昇可能金額は1745.7万円。ランキングの中でも頭一つ抜けている。

 同社は1948年に創業し、当時から日本中央競馬会(JRA)にウインズビル(場外馬券売り場)を賃貸している。その他にもオフィスビルやデータセンタービル、商業施設・物流倉庫などの事業を展開している。

 2位はサムティで610.7万円増だった。同社は大阪府大阪市と東京都千代田区に本社を置く不動産デベロッパーで、マンションやオフィスビルの販売・管理や、ホテルの運営を行っている。

 3位には、346.0万円増で小野薬品工業がランクインした。こちらは創業300年超の超老舗製薬会社だ。

 それ以降の順位も見てみよう。4位に地主(308.8万円増)、5位に武田薬品工業(301.2万円増)が続いた。

 ちなみに上位の中で連結従業員数が多い会社を確認すると、3位の小野薬品工業が3607人、5位の武田薬品工業が4万7099人だった。この2社のように、働く人が多い会社で配当の一部を賃上げに回すことができれば、経済への波及効果もそれだけ大きく期待できるはずだ。

 ランキングでは、単体ベースの平均年収も載せた。例えば、1位の京阪神ビルディングは934.8万円だ。各社は有価証券報告書の中で、平均年収を公開している。ただし、記載されているのは単体ベースの数字のみ。この金額は各社の年収の相場観をつかむためのものであり、あくまで参考値として見てほしい。

 最後に今回の試算で、配当総額を単体ではなく連結従業員数で割った理由について解説しておこう。持ち株会社制に移行した企業の場合、連結に比べ単体従業員数が極端に少なくなるケースが多いのだ。

 例えば5位の武田薬品工業(301.2万円増)。連結従業員数4万7099人に対し、単体はわずか4966人である。配当総額16億1000万円の半額を4966人で割ったのでは、年収上昇可能金額として明らかに不適切だと判断した。

非上場化で年収はいくら上がる?
100万円以上アップは35社

 なお、今回、年収上昇可能金額が100万円を超えた企業は35社だった。最後に、この35社について業種別の傾向を確認しておこう。

 業種別に集計すると、最も多かったのは「卸売業」で6社だった。ちなみに、「卸売業」の中で最も順位が高かったのは、アズワン(8位、238.4万円増)だった。

 続いて多かったのは「医薬品」で5社、「建設」で4社、「不動産」「電気機器」「化学」がそれぞれ3社という結果が出た。

「電気機器」の中で最も順位が高かったのはキーエンス(7位、289.4万円増)。同社は平均年収が高いことでも有名で、単体の平均年収は1751.8万円もある。しかし、非上場化でさらに上がる可能性があるというわけだ。

 その他の業種は、「情報・通信」「証券・商品先物」がそれぞれ2社、「機械」「保険」「金属製品」「精密機械」「輸送用機器」「鉄鋼」「小売業」がそれぞれ1社だった。