心配事の96%は現実にならない
わび:音や光など、「外側」の刺激をクリアにし、眠る環境を整えても眠れない場合は、そもそも心配事があるなど、心の内側の雑音に影響されている可能性が高いです。
そういうときは、頭の中の嫌な記憶をクリアにしなければならないので、寝る直前に好きなことをしてから寝るのがおすすめです。
──たとえば、「明日、仕事で失敗するかもしれない」など不安で眠れない、という場合はどうされていましたか? 自衛隊のお仕事の場合、命に関わる分、恐怖や緊張感もあったのではないかと思うのですが。
わび:「不安」との戦い方を知るとラクになるかもしれません。
私も社会人生活の前半は、まさに不安との戦いでした。純粋に仕事をしている時間よりも、不安になっている時間の方がずっと長かったかもしれません。
けれど、その経験から知ったのは、「何がわからないかわかっていないから、不安が生まれる」のだ、ということ。
そういうわけで、あまりに不安すぎて眠れないという場合は、「わかっていること」「わかっていないこと」をそれぞれノートに書き出してみるのがおすすめです。
あとは、精神科医・樺沢紫苑さんがこの記事(https://diamond.jp/articles/-/189277)で紹介されていたのですが、米国ミシガン大学の研究で、「心配事の80%は起こらない」ことがわかったそうです。
さらに、残りの16%は事前に準備をしておけば対処可能。つまり、「こうなったらどうしよう」と不安になっていることのうち、4%しか現実には起こらないんです。
──ええ! たったの4%ですか。そう考えると、私たちはかなり余計な心配をしてしまっているのかもしれませんね……。
わび:この知識を知っておくだけでも、楽観的になれますよね。
もし、どうしても不安で眠れないという人は、ぜひこのエピソードを覚えておいて、眠れない夜に思い出してもらえたらと思います。
現実になるかどうかわからない未来のことにエネルギーを使うのはもったいない。
心の整え方や不安の取り除き方は今回の本でも複数紹介しているので、少しでも多くの方の気持ちをラクにできたら嬉しいです。
【大好評連載】
第1回 「忙しくても潰れない人」と「優秀でもメンタルが弱い人」の決定的なちがい
第2回 「厳しくても尊敬される上司」と「部下のメンタルを壊す上司」の差は「この言葉」に表れる