2020年12月、税制改正大綱が発表されてからというもの、「近い将来、生前贈与がなくなるのではないか」と話題になり、相続を専門とする税理士法人である私たちのところにも、多くの問い合わせや取材が殺到しました。「生前贈与がなくなる」と聞いても、今一つピンと来ないかもしれませんし、または「うちはたいした財産がないから関係ないよ」と思われる人もいるでしょう。しかし多くの人にとって、この「生前贈与」改正の影響は大アリなのです。そこで今回は税理士法人レガシィの新刊『「生前贈与」のやってはいけない』(青春出版社)から、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の相続について抜粋紹介します。
新型コロナで相続に対する意識が変わった!?
新型コロナウイルスのパンデミックによって、私たちの周囲で死が身近になりました。
コロナ禍で知人や親族を亡くしたという方も少なくないと思います。実は、私たちもまた長いお付き合いだったお客様を新型コロナで亡くしてしまい、大きなショックを受けました。直前まで元気だった人が急に病状が悪化して亡くなったという話も耳にします。当たり前のことなのですが、いつか人は死ぬ、そしてそれは突然やってくるかもしれないという事実を、改めてまざまざと感じさせられました。
これまでは、「縁起が悪い」といって相続や贈与などの死後の準備を遠ざけていた人たちも、コロナ禍によって相続に目を向けるようになったようです。