四字熟語と比べると、三字熟語って耳慣れない言葉ですが、「雪月花(せつげっか)」「五月雨(さみだれ)」「朧月夜(おぼろづきよ)」のような日本の景観や四季折々の風物を表す美しい言葉をはじめ、「安本丹(あんぽんたん)」「頓珍漢(とんちんかん)」「素頓狂(すっとんきょう)」などの思わず笑ってしまう言葉、「大団円(だいだんえん)」「知情意(ちじょうい)」「不如意(ふにょい)」などの使うとかっこいい言葉など、三字熟語の世界は多彩です。今回は、『世にも美しい三字熟語』の著者、西角けい子さんが“BIG BOSS”新庄剛志監督にぴったりの三字熟語について語ります!
“BIG BOSS”新庄剛志監督にぴったり!
他に例のないくらい非常に珍しいことを表す三字熟語とは?!
プロ野球のペナントレース開幕を控え、新聞、テレビ、ラジオ、ネットから連日話題があふれています。今年の話題の人といえば、なんといっても北海道日本ハムファイターズの“BIG BOSS”こと、新庄剛志監督。野球は野暮天な私にも興味がわきます。
新庄監督の言葉には名言や迷言がさく裂しています。ちょっと変わっていて、面白い。軽やかで、庶民的で、思わずクスッと笑ってしまう。でも、カッコよくて、日本人の心情を表わす美しささえ感じます。
まさに「三字熟語」の世界と同じ!! 三字熟語研究家の私は、新庄監督にピッタリな新しい三字熟語を探してみたくなりました。
これまで新庄監督に使われた三字熟語をざっとリサーチしてみると、
「破天荒」「超人的」「宇宙人」「風雲児」「奇天烈」
など、たくさんあります。
新庄監督は現役時代、日米4球団で活躍したセンスあふれる名選手でした。ゴールデングラブ賞7回(阪神)、ゴールデングラブ賞3回(日本ハム)に裏づけられた、華麗なプレーの反面、カエル、スパイダーマン、ゴレンジャーなどの被り物でファンサービスするなど、球界一のエンターテイナーでもありました。
他にも以下のような武勇伝があります。
○「野球センスがない」という理由で引退宣言をした後、すぐに撤回。(1995(平成7)年11月)
○対巨人戦(甲子園)で、敬遠球をすかさず踏み込んで、見事なサヨナラヒットに。(1999(平成11)年6月)
○オールスター戦(長野オリンピックスタジアム)でのホームスチール。(2004(平16)年7月)
監督になってからも話題は豊富で、真紅のジャケット、立て襟の白いシャツというスタイルは記憶に残る就任会見に。「選手兼監督という形で契約を結んでいただきました」というと、慌てた球団社長が、「いえいえ、監督だけです」とすぐに打ち消される会見など初めてでした。
「優勝なんかは一切目指しません!」
「顔を変えずにチームを変えていきたい」
「監督って呼ばないで。『BIG BOSS(ビッグボス)』でお願いします。」
「真面目な顔して腕を組んでいる監督像を僕が変えていきたい」
SNSの発信でも、
「努力は一生 本番は一回 チャンスは一瞬」(2021年6月27日Instagram)
「地味な努力こそ派手になれる」(2021年11月9日・Twitter)
「努力をしてない人間ほど すぐ人のせいにし 不貞腐れ自分から逃げる」(2021年11月17日・Twitter)
選手インタビューに、「そうですね」禁止令をだしたり、打順はガラガラポン抽選機で決めるといったり、オープン戦のDeNA戦(札幌ドーム)は、ファン投票でスターティングメンバーを決定したり。
TVのバラエティ番組でも、私生活でも巨額の横領被害にあったり、整形手術歴をあっけらかんと明かしたり。
驚嘆したり、感動したり、度肝を抜かれたり、ジーンとしたり、混乱してきました(笑)
いくら調べても、新庄監督のエピソードは、それまで誰もなしえなかった「初めてのことばかり」で他の誰とも何にも比べることができない、という結論になりました。