ダイヤモンド決算報#産業用機器Photo:NurPhoto/gettyimages

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日立製作所や東芝などの「産業用装置・システム/業務用機器」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

東芝・日立・三菱重工…
いずれも前年同期比増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の産業用装置・システム/業務用機器業界5社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ダイキン工業
 増収率:21.3%(四半期の売上高7431億円)
・日立製作所
 増収率:13.3%(四半期の売上収益2兆5140億円)
・東芝
 増収率:11.1%(四半期の売上高8087億円)
・三菱電機
 増収率:0.4%(四半期の売上高1兆429億円)
・三菱重工業
 増収率:3.9%(四半期の売上収益9816億円)

※ダイキン工業は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 産業用装置・システム/業務用機器業界の主要企業5社はいずれも前年同期比で増収だった。

 東芝は、24日に「2社分割計画」の賛否を問う臨時株主総会を開催。しかし、2社分割案は反対多数で否決された。今後の行方がなかなか定まらない東芝だが、直近四半期(21年10~12月期)では前年同期比で1割超の増収だった。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、東芝の業績について詳しく解説する。