経営再建中の自動車部品大手マレリホールディングスが、新たなスポンサー企業を募る第1次入札を3月末に実施した。特集『日産マレリ劇場、開幕』の#4では、応札に名乗りを上げたインドの自動車部品メーカーの実名を明らかにするとともに、このニューフェースが支援企業として急浮上した内幕に迫る。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
マレリ1次入札に名乗りを上げた
「インドのニューフェース」とは?
3月31日、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請した自動車部品大手マレリホールディングス(HD)は、スポンサー企業の選定を行う第1次入札を実施した。
1次入札はもともと3月11日に予定されていた。それが3月31日まで延期されたことで、金融業界では「札を入れる陣営がどこにもなかったからではないか」との臆測が飛び交った。
マレリHDは、そうした懸念が生じるくらい再建に暗雲が垂れ込めている。借金も利害関係者も多過ぎる難局にあるのだ(本特集#1『旧日産系マレリ再建へ、負債1.1兆円の「銀行別内訳」を公開!借金も利害関係者も多すぎる』参照)。
しかし、みずほ銀行の幹部はそれらの臆測を、「『入札を考えたいが、検討時間が足りない』と、複数の(スポンサー候補の)企業から申し入れがあったためだ」と強く否定していた。
果たして、1次入札にはどんな企業が参加したのか。実は金融業界では、スポンサー企業の有力候補として、あるインドの自動車部品メーカーの名が取り沙汰されている。
次ページではその企業の実名を明らかにするとともに、なぜインドの自動車部品メーカーがマレリ再建の“必要ピース”として急浮上したのか、再建を巡る内幕に迫った。