強い新人に勧める
もう一つのアプローチとは?

 ところで、先ほど強い新人として上を目指すには「アプローチが二つある」と書いた。もう一つのアプローチは、一体何なのか。

 それは、上司のさらに上司を籠絡することなのだ。おおよそ二回り、年齢にして20歳くらい上の「偉い人」にすっかり気に入られると、サラリーマンの世界は変わる。理由は説明するまでもないだろう。

 この手段を使った成功者を筆者は知っているが、そのための方法論やコツを読者に伝授することは筆者の手に余る。

「こいつは、まだまだ未熟だが元気な奴だな。まるで、若い頃の俺(偉い人の数は、まだまだ圧倒的に男性が多い)のようだ」と年長者に思わせたら効果的らしい、ということをお伝えできる程度だ。

サラリーマン道の達人が教えてくれた
「出世の心得4つ」とは?

 最後に、以前にも書いたことがあるが、筆者がかつて「サラリーマン道の達人」的な大先輩に教えてもらった「出世の心得」をお伝えする。これは汎用性があると思う。大先輩の口調を再現しつつ、お伝えしよう。

「いいか、ヤマザキよく聞いておけ」

「まずだな、意見は大きな声で言え(1)。同じ意見なら大きな声で言う方が圧倒的に有効だ」

「そして、常に『会社のため』という立場からものを言え。そうであるなら、たとえお前が間違っていたとしても、お前は助かるだろう。この会社はその程度には信用していい(2)」

「それでだな、実はこれが難しいのだが、誰にでも同じことを言え(3)。相手によって言うことが変わる奴は信用されない。同じことを言えないのなら、言わない方がいい」

「これらの三つが実践できたら、お前は前途洋々、順風満帆だ」

「あと、つけ加えるとな、『こいつは、少しかわいいところがあるな』と上の人間に思ってもらえるようなかわいげがあれば(4)、全く鬼に金棒だよ」

 つくづく、いいアドバイスだったと思う。

 筆者は、(1)と(3)には自分なりに努力したと思う。だから、今日まで何とかやってこられたのだろう。しかし、(2)は信じられなかったし、(4)の才能はなかった。だから、出世もしなかったし、金持ちにもなっていない。

 もろもろを参考にしていただけたら幸いだ。

 世に多数いるはずの「強い新人」の活躍と成長に大いに期待している。