仕事上の主義や学生時代のエピソード、家庭環境、付き合っている相手の有無、趣味、性格の長所・欠点などは、質問されたら当面は曖昧に答えておくといい。「ヤマザキ君、付き合っている相手はいるの?」などと聞かれたら、「大学に入るとモテると期待して上京したのですが、現実は甘くありませんでしたね」というくらいに答えておくのがいい。

 間違っても「ええ、何人かいますよ。だから、会社の女性に興味はありませんね」などと言い放たない方がいい(注:筆者の話ではない)。翌日には、周囲の皆が知っていて、すっかり居心地が悪くなるといった事態が生じるかもしれない。

 もっとも、最近は社員にプライベートな質問をすることが難しくなっているから、自分からしゃべりすぎないように注意していればいいだけかもしれない。

 自分に関する情報は、「実は」と一言付け加えて、後で都合のいいときにいつでも追加できる。

「キレる」「威張る」「すねる」は
厳禁の自爆行為

 上司や同僚との関係はうまくいっているだろうか。偉そうだったり、なれなれしかったり、「先輩面」がうっとうしかったりしないだろうか。彼らに適切な「処置」を施すことは、自分にとっても会社にとってもいいことなのである(本当だ)。

 少し後で読者には、「なめられない」ために「小さな戦い」を仕掛けることをお勧めするのだが、職場環境や自分に対する扱いの不満に対して、感情の爆発、有り体に言って「自爆」で自己アピールしてはいけない。

 まず、いきなり怒鳴ったり、脅したり、先輩社員の胸ぐらをつかんだり、といった、いわゆる「キレる」行為は厳禁だ。暴力やそれに準じる行為が、今や弁護の余地なく致命的にダメなのは明らかだ。ウクライナに軍事侵攻したロシアのウラジーミル・プーチン大統領や、アカデミー賞授賞式で平手打ちに及んだ俳優のウィル・スミス氏が同情の対象にならないことを見てもよく分かるだろう。

「私を怒らせると怖いのだよ」と思い知らせるのは、うまくいかない。「自己コントロールのできないやつ」との烙印を押されて、長い会社員人生を不遇に過ごすことになるだろう。

 それに、向こうから見て本当に怖いのは、一切怒らずに平気で攻撃してくるかもしれない、不気味に冷静な相手なのだ。