こちらは新人なので気楽な面がある。また、映画「仁義なき戦い」のせりふにあったように「狙われる者より、狙う者の方が強い」のだ。準備ができていれば、互角以上の勝負のはずだ。

「小さな勝利」を得ることができれば、周囲の自分を見る目が変わり、自分に対する対応も変化するから、気持ち良く仕事ができるようになるはずだ。やっと環境が整うのだ。

ちまちま同期と競争するより
上司・先輩と競う方が効果的

 この勝負の何よりいいところは、そのための準備が自分の「成長」に大いにつながることだ。「同期」とちまちま競争するよりもはるかに効果的だ。ぜひやってみるといい。

 入社して1年以内に、形のある「小さな勝利」を得よう。それができないなら、あなたはそもそも「強い新人」ではなかったということだ。

「謙虚」という言葉を自分への言い訳にしつつ、時に卑屈になりながらも、生活のために環境に慣れることを目指すといい。心配しなくても、人間には社会的な環境適応能力が案外あるものだ。その証拠に、周囲にはそのようにして環境に慣れた先輩たちがたくさんいるではないか。あなたにも、たぶんできる。

「小さな勝利」を得た結果、それでも周囲の態度が変わらないとか、むしろ意地悪をされるようになるとか、あるいはすっかり甘やかされるようになってしまう、といった職場ならどうするか。

 答えは一つだ。「さっさと転職してしまえ!」。

 なお、念のため断っておくが、筆者はかつての自分が「強い新人」だったと言いたいわけではない。実際、強くも何ともなかった。うらやましくも読者が「強い新人」ならぜひこうするのがいいと言いたいだけなのだ。