不祥事が起きれば調査委員会が立ち上がり、その調査結果に基づいて経営陣が謝罪する――。今や企業不祥事発覚後のお決まりの流れだ。だが実は調査報告書が、経営トップの責任を回避する免罪符として扱われる事例も散見される。特集『東レの背信』(全6回)の#5では、そんな「不良」調査委員会の実態を暴露する。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
品質不正の東レだけじゃない!
あきれた「不良」調査委員会の数々
樹脂製品の安全認証を不正に取得し、長年にわたって顧客を欺き続けた東レ。さらに経営陣の責任を追及しない有識者調査委員会の実態を、本特集#1『【スクープ】東レの品質不正調査報告書に重大欠陥、内部資料で判明した「消された言葉」』と#2『【スクープ】東レが独立役員のファンドに迂回出資か、日覺社長「お友達」社外取の利益相反疑惑』で明らかにした。
何のことはない。経営執行のトップである日覺昭廣社長の責任を取り締まるべき立場の社外取締役や調査委は、日覺社長の「お友達」で固められていたのだ。
だが、そんな経営陣に甘い「不良」調査委員会は、東レだけにあるわけではない。あきれた調査報告書をさらした、企業の実名を明らかにする。