伝説の投資家であるウォーレン・バフェット氏に経営手腕を絶賛された米コカ・コーラの元社長、ドナルド・R・キーオ氏。彼は自分の周りにいる人の言葉を信じず、現場視察の際も予定されていない店舗に抜き打ちで訪問したがった。失敗を繰り返しながら実業家として成功を収めてきたキーオ氏のビジネス経験則は、全てのリーダーにとって傾聴に値する。(イトモス研究所所長 小倉健一)
伝説の投資家バフェット氏も称賛した
コカ・コーラの名経営者の経験則
哲学者ソクラテスの言葉に「自分の言葉や行動を褒めてくれる忠実な人ではなく、自分の間違いを親切にとがめてくれる人のことを考えるべきだ」というものがある。
米コカ・コーラの社長を務めた経営者ドナルド・R・キーオ氏は、この名言に忠実だったと言えるだろう。伝説の投資家であるウォーレン・バフェット氏がキーオ氏の経営手腕を絶賛し、コカ・コーラ株を大量に購入したことは有名だ。
今回は、マクドナルドやワシントン・ポストなど米国の有名企業の取締役も務めた大実業家であるキーオ氏の行動から、ビジネスで大切にすべき指針を読み取っていきたい。
ロベルト・ゴイズエタCEO(最高経営責任者)と共に12年間にわたってコカ・コーラを経営し、世界的な一流ブランドに押し上げたキーオ氏。彼の豊富なビジネス経験則は『ビジネスで失敗する人の10の法則』(日本経済新聞出版、訳・山岡洋一)で綴られている。
成功と失敗、酸いも甘いも経験しながら実業家として成功を収めている彼は、コカ・コーラ在籍時のある事例を上記の著書で挙げている。