「NARISAWA」で本物の料理を味わう
東京の南青山に「NARISAWA」というレストランがあります。
オーナーシェフの成澤由浩氏は、元々はフレンチの世界で天才的な料理人として知られていた方です。今はフレンチの世界を飛び越えて、「イノベーティブ里山キュイジーヌ」という独自のジャンルを切り開かれています。
成澤氏はミシュラン掲載はもちろん、料理界のアカデミー賞と言われる「ワールド50ベストレストラン」に一一年連続で選出。二〇一八年にはフランスの国際ガストロノミー学会からアジア人で初のグランプリに選ばれています。
成澤氏はご自身の料理を「イノベーティブ里山キュイジーヌ」と名付け、それを通じて、一つの世界を表現されています。日本の里山にある豊かな食文化と、人と自然が共存してきた先人たちの知恵(里山文化)を、料理によって表現されているのです。
里山は人が入っていかないと荒れてしまう。成澤氏の料理は、人と自然との共生がテーマです。適正な循環システムをつくることで人は里山に入っていって草を取りに行く。
NARISAWAでは料理の背景にそんな物語を盛り込み、土地の自然や文化、歴史、その物をつくった人の美意識や世界観、想いがすべて料理に込められているのです。
成澤氏の料理を味わうことは、一つの美的な鑑賞経験であり、自らの五感をフルに使って味わう経験が、人の美意識を育ててくれます。
株式会社細尾 代表取締役社長
MITメディアラボ ディレクターズフェロー、一般社団法人GO ON 代表理事
株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス 外部技術顧問
1978年生まれ。1688年から続く西陣織の老舗、細尾12代目。大学卒業後、音楽活動を経て、大手ジュエリーメーカーに入社。退社後、フィレンツェに留学。2008年に細尾入社。西陣織の技術を活用した革新的なテキスタイルを海外に向けて展開。ディオール、シャネル、エルメス、カルティエの店舗やザ・リッツ・カールトンなどの5つ星ホテルに供給するなど、唯一無二のアートテキスタイルとして、世界のトップメゾンから高い支持を受けている。また、デヴィッド・リンチやテレジータ・フェルナンデスらアーティストとのコラボレーションも積極的に行う2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成。国内外で伝統工芸を広める活動を行う。2019年ハーバード・ビジネス・パブリッシング「Innovating Tradition at Hosoo」のケーススタディーとして掲載。2020年「The New York Times」にて特集。テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」でも紹介。日経ビジネス「2014年日本の主役100人」、WWD「ネクストリーダー 2019」選出。Milano Design Award2017 ベストストーリーテリング賞(イタリア)、iF Design Award 2021(ドイツ)、Red Dot Design Award 2021(ドイツ)受賞。9月15日に初の著書『日本の美意識で世界初に挑む』を上梓。