ポスト岸田レースが大揺れ、「有力候補7人」全滅の恐れも自民党総裁選を終え、手を合わせる(左から)野田聖子氏、菅義偉氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏(2021年9月) Photo:JIJI

本命不在といわれる「ポスト岸田」レースに変化が見られている。支持率が上昇基調にある岸田文雄首相は「ポスト岸田も岸田」と長期政権を当然視するが、2年後に迫る自民党総裁選を巡っては早くも再選を危ぶむ声も広がる。さらに、自民党内の権力バランスに異変が生じ、有力候補の面々が出走断念に追い込まれる可能性も出ているのだ。(イトモス研究所所長 小倉健一)

「ポスト岸田は岸田」を揺るがす
“ファクターS”とは?

 昨年9月の自民党総裁選で、当時の首相だった菅義偉氏を不出馬に追い込む形で権力の頂点に立った岸田文雄首相。世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大第6波という高波を越え、3月の「まん延防止等重点措置」全面解除から支持率が上向いている。

 マスコミ各社の世論調査では昨秋の政権発足時からいずれも上向き、日本経済新聞の4月の調査では64%と高水準にある。3月下旬から岸田氏はインドやカンボジア、ベルギーを相次いで訪問し、大型連休中は東南アジアや欧州を訪れる「首脳外交」に精を出す。

 高い政党支持率に支えられる自民党。今夏の参議院選挙でも優位は動かず、「ポスト岸田」レースも本命不在とあれば、2024年の党総裁選で岸田氏の再選は不動というのが大方の見方だ。だが、ここで順風満帆なはずの岸田氏を揺るがす「ファクターS」が登場する。

 首相の再選は困難と見るのは、全国紙のあるベテラン記者だ。「コロナ対策では未知の要因として『ファクターX』が注目されましたが、自民党の次期総裁選では『ファクターS』、つまりは菅前首相の動向が鍵を握ります。菅氏のことを蛇蝎のごとく嫌う岸田氏としてはいら立たしい動きでしょうが」。