メンバーからの相談
自分の「感覚」で答えていいのか…? そんな不安も。
須田:ただその「感覚」という点で、ちょっと「いいのかな?」と思っていることがあって。私にとっては感覚を大事にすることが能力を育てることにつながるのかもしれないですけど、人には理解されにくいんじゃないかと心配していて。というのも、グループにいると後輩の悩み相談に乗ることがあるんですけど、私の脳の理解の仕方で「こうするといい」と思ったことを、そのまま伝えても伝わらないことが多いんです。
加藤:悩み相談に乗るときに大事なポイントは2つあって。1つはとにかく聞いてあげること。須田さんは包容力がある印象を受けたので、須田さんが聞いてあげるだけで後輩たちは解決したような気になると思います。もう1つは、やはり言葉で説明することは大切で。とくに後輩が右利きで言語系がすごい得意なタイプだったら、言葉できっちり説明しないと須田さんが伝えたいことを分かってもらえない可能性はあると思います。
須田:感じてもらおうとしてもダメなんですね。
加藤:相手が、先ほど言った右脳の理解系脳番地があまり発達していない人であれば、須田さんが伝えたいことのニュアンスが半分も伝わらないかもしれない。そういう相手の場合は、苦労するでしょうね。
須田:実際、私の言葉じゃ伝わらないことが多いんです。
加藤:おそらく須田さんは脳の理解系が発達しているので、感覚的な言葉を選ぶことが多いと思うんです。ところが難しいことに、感覚的な言葉の理解が苦手な人ほど悩みやすい、という傾向がありますから。
須田:ちゃんと自分の中で分解して、分かりやすい言葉で伝えるようにすることが大事なんですね。
「他の人が気づかないことに気づく」ことに
自信を持っていい
加藤:体験談とか具体例を挙げて伝えると、より伝わりやすくなると思います。僕自身、20代30代の頃に、人に対して「どうしてこれで分からないんだろう?」と思うことが続いたんですよ。それで、自分の脳の使い方や特性を理解したうえで、相手の脳に合わせて接するようにしたら上手くいくようになりました。
須田:たしかに、たまに「どうしてこの人、この良さが分からないんだろう?」とか「なんでこの人はこういう行動を取っちゃうんだろう」とか、モヤモヤするときがあります。でもそれは私だから気になっているだけで、ほとんどの人は気になっていないのかもしれないですね。
加藤:ただそれこそが、他の人が気づかないことに気づくという良さなので、大事にしてほしいと思います。
須田:えー、神経質な人に見えてしまいませんかね?
加藤:脳って絶えず、新鮮なものに反応するんですね。だからむしろ、そうやって他の人が見えてないことを提案できると、まわりの人達の脳が「面白い!」と反応してくれるはず。とくに個性が大事な芸能界では、それはすごく有利に働く特性じゃないかと思いますよ。
「左利き×左利き」は最強!
須田:今後は、今日先生から教えていただいた自分の脳の個性を覚えておくようにします。それで最後に先生にお聞きしたいんですけど、左利きの仲間と過ごす時間が多すぎると、視野が偏ってきたりしてしまいますか?
加藤:むしろ逆だと思いますよ。日本の場合、9対1で右利きの人が多いんですね。だからインフラも全部右利き用にできている。それはつまり、右利きに閉塞した社会環境になっているということでもあるんです。だから左利きの人がいたら、積極的に会話をすると逆に発見が多くなると思いますよ。
須田:そうなんですね。友達の中にも何人か左利きの人がいて、すごく話が合うんです。だから楽しいんですけど、それは甘えなのか、視野が広がっているのかどっちなんだろう、と思うことがあって。それで今の質問をお尋ねしたんですけど、そういうことでしたらお互い視野広く見ている者同士、最強かもしれないってことですね(笑)。ありがとうございました!
(本記事は2023年5月12日までの期間限定公開です)
誕生日:1991年10月31日、血液型:A型、出身地:愛知県
2009年11月にSKE48第3期生としてメンバーに加入。現在はSKE48チームEリーダーを務める。2016年・2017年の選抜総選挙では2年連続「神セブン」に選ばれ、今年2018年には遂に2位の座を獲得。握手会での神対応が話題で「握手会の女王」とも呼ばれている。 また、持ち前のトーク力でバラエティやワイドショーに出演。その他にもラジオや新聞連載等、SKE48の中心メンバーとして多方面で活躍中。
ソロライブ開催決定 あかり”も“のぞみ”も30周年! 須田亜香里ソロライブ名古屋公演supported by JR東海
●開催日時 5月20日(金)
●場所 名古屋マリオットアソシアホテル タワーズボールルーム
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。
株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。
14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700ヵ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD(注意欠陥多動性障害)、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断、治療を行う。「脳番地」「脳習慣」「脳貯金」など多数の造語を生み出す。InterFM 897「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務め、著書には、『脳の強化書』(あさ出版)、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社)、『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『大人の発達障害』(白秋社)など多数。
・加藤プラチナクリニック公式サイト https://www.nobanchi.com
・脳の学校公式サイト https://www.nonogakko.com