中国「離れ」加速の兆し、ゼロコロナ政策・ウクライナ問題で経済変調上海市は6月1日から地下鉄やバスの運行再開や外出を認めるなどロックダウンの実質解除を発表したが、中国全土で活動規制が完全に解除されるめどはたっていない(5月28日上海市内で消毒液をまく衛生作業員) Photo:VCG/gettyimages

ゼロコロナ政策で生産、物流が停滞
流出し始めたグローバル・マネー

 新型コロナウイルス感染で世界経済が大きな打撃を受けるなか、いち早く立ち直り、世界経済の回復をリードしてきた中国だが、ここにきて経済悪化が際立っている。

 昨年末以降急速に拡大した「オミクロン株」に対しても、中国当局は都市封鎖などによる抑え込みを目指す姿勢を崩さず、いわゆる「ゼロコロナ政策」を徹底させていることが背景だ。

 上海市のロックダウンは6月から実質解除されるものの、生産や物流の停滞は続いており、成長が減速するだけでなく、海外企業のなかには中国での操業に見切りをつけ他国の代替地探しの動きや中国株売却など資本流出が広がる。

 ここにきてウクライナ戦争や対ロ経済制裁が長期化する可能性が強まり、グローバル・マネーの「中国離れ」を加速しかねない状況だ。