新型アウトバックは、名実ともに
“スバルのフラッグシップ”

 試乗車は、アウトドア志向のXブレイクEX。上級仕様のリミテッドと比較するとハンズフリーパワーリアゲートがオプションとなり、シート地は撥水性ポリウレタン(本革は未設定)。それでもゴージャスな雰囲気は十分に味わえるし、フロント/リアのパンパーガードはもとより、各部がブラック化され精悍な印象がアップしている。“こちらのほうが好み”というユーザーも少なくなさそうだ。Xブレイクは、雪道や悪路に対応するX―MODEが2モード式(リミテッドは1モード式)になるのもポイントである。

 全車に標準装備される、高精度マップを活用した運転支援システム“アイサイトX”の完成度も高い。基本の“アイサイト”と同様の全車速追従機能付きクルーズコントロールは、“余計なお世話”感の少ない使えるアイテム。他メーカーのこの種の機能と比較しても安心感は上回る。

 今回は活用するシーンがなかったものの、自動車専用道路上での“渋滞時ハンズオフ機能”も、そのありがたみは容易に想像ができる。

 新たな骨格とさまざまな新機能を手に入れた新型アウトバックは、名実ともに“スバルのフラッグシップ”と呼ぶにふさわしい1台だった。洗練された走行性と、伝統の4WDシステムが生み出すオールラウンド性を、ワゴン派生のクロスオーバールックで包んだ個性派である。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/山上博也)

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