同じ間違いを防ぐための「ミスパターンノート」

 子どもたちがテストで「×」をもらう場合、問題が難しすぎてどんなに考えても解けないこともあれば、問題の読み間違いや筆算の数字の書き方があいまいだったために正答できなかったというケースもあります。

 いずれも間違いですが、難しすぎて問題が解けなかったものは難問集として整理し、単純な読み間違いや数字の書き間違いなど、自分の不注意によるミスをチェックするためにつくるのが「ミスパターンノート」です。

 つくり方は簡単です。携帯しやすいように市販のB6サイズのノートを使用し、表ページに自分がミスした問題とミスした自分の答えを、その裏ページに解答・解説とケアレスミスのポイントを書いて貼ります。

 ミスパターンノートは「ミスした自分の答え」もそのまま貼るのが特徴です。といっても、すべての間違いを貼るのではなく、自分自身で衝撃を受けたミスを貼っておくのです。

 いわば「自分だけのケアレスミスまとめ集」といった、ミスの日記のようなものですが、不注意によるミスというのはその子どもによって癖があるものです。自分が間違えたものをノートに貼って客観的に眺めることで、本人もその癖を知ることになりますし、「同じミスをしない」という意識づけになるのです。

 そのミスパターンノートを模擬試験や入試当日の朝にサーッと見直します。

 解き直すのではなく、ただノートに目を通すのです。速い子どもであればノート1冊分を2~3分でチェックしますが、「あ、3月の公開学力テストのときは、半径と直径を間違えたな」とか「太郎くんの持っていたお金を求めるところを、花子さんの持っていたお金を求めてしまった」とか「単位換算でメートルとセンチメートルを読み間違えた」など、「かつて自分がこうミスした」ということを振り返るわけです。

 不注意によるミスというのは常時頭に留めておくのは難しいものです。模擬試験や入試当日の朝に、過去のミスの日記に目を通すという作業は、その日のテスト中のミスに対する意識をかなり高くしてくれる効果があります。ただその効果は何日ももたないので、大切なテスト前に毎回見ることがポイントになるのです。