財源の裏付け欠く「骨太2022」
参院選でも「財源論」は皆無
「分配と成長の好循環」を掲げた岸田首相の「新しい資本主義」を具体化する「骨太方針2022」が閣議決定された。
政府は「新しい資本主義」を起動することで「我々自身の資本主義をバージョンアップする」という。
「人への投資」を拡大することで「次なる成長の機会」につなげ、一部の企業や個人が利益を得るのではなく、「成長の果実」を隅々まで行き渡らせるという方向性は妥当としても、その実現には課題が少なくない。
とりわけ財源の裏付けを欠いていることは致命的だ。
ただ量的に財政を拡大させるのではなく、予算全体を見直して新たなニーズに重点化するメリハリをつけないと、目指す経済・社会の再起動はおぼつかない。
参院選の論議を見ても、給付拡大や減税の声は大きいが、財源論議は皆無だ。