株価でも為替レートでも、
一直線に値上がりするケースは皆無
確かに一理あります。ある投資対象の値段が100円、110円、120円、130円というように値上がりしていく場合、それぞれの値段で積立投資するよりも、100円の時に一括で投資したほうが、トータルで見たリターンは高まります。それは当然です。
おそらく投資をしたことのない人でも、何となく分かるでしょう。たとえば、下図を見てください。
1口あたりの値段が100円から140円まで10円刻みで積み立てたものを全部、150円の時に利益確定で解約したとします。5回の積立投資で得られた儲けは133円です(上図の「株価が右肩上がりのケース」)。
これに対して、5回の積み立てと同額の500円を原資にして、100円の時にまとめて買ったとすると、購入した口数は5口です。
ということは、1口あたり150円で売却できれば、売却時の総額は750円ですから、7500円-500円=250円で、儲けは250円になります(上図の「株価が右肩上がりのケース」)。
このように、ずっと株価が上がるなら積立投資よりも一括投資のほうが、リターンが高まるケースもあります。
ただ、それは一直線な右肩上がりで値上がりした場合の話です。
株価でも為替レートでもそうですが、一直線に値上がりするケースは皆無です。株価の値動きを追うと分かりますが、常に上昇と下落を繰り返しながら、徐々に株価は下値を切り上げるようにして、上昇トレンドが形成されていきます。
だからこそ、積立投資を継続する意味があるのです。