「大手に就職できて安心組」のキャリアの末路、スタートアップ組と立場逆転もPhoto:PIXTA

せっかく大手企業に就職したはずが…
スタートアップに行った同級生に給与で負ける?

 新卒で大手企業に就職した人の中には、新卒スタートアップ就職組と比べ、自分たちのほうが安定していて給与も高いと思い込んでいる方がかなりいます。

 ところが「大手企業にお勤めの皆さん、あなたの給与はスタートアップより低いんです」とお伝えしたくなるような状況が生まれています。

 金融や商社といった別格で年収の高い業界は別として、一般的なメーカーなどの企業であればスタートアップの給与が年々増加しているため、現状ではあっさり抜かされていることがあるのです。

 一口にスタートアップといってもいろいろですが、例えば企業価値10億ドル以上のユニコーンを目指すスタートアップ企業を対象とした、日本経済新聞社の2021年「NEXTユニコーン調査」では、20年度の平均年収は上場企業の平均と同水準で、21年度は630万円と5%(29万円)増える見通しとしています(日本経済新聞「有力新興の平均年収、上場企業超えも 21年度5%増」)。

 30歳時の比較で、大手メーカーに就職した人が年収600万円なのに対し、スタートアップに行った同級生が800万円になっているようなケースもあります。

スタートアップ給与上昇の背景にある
ビジネス社会の「大変化」とは?

 スタートアップの給与水準が上がり始めたのは10年ほど前からで、この2~3年でその上昇が加速した感があります。それはなぜなのでしょうか。