しかも、別のマネー雑誌のアンケート調査によると、「資産額1億円以上」のうち、4人に1人は年収500万円以下の会社員である。年収が500万円以下であっても、資産形成に励めば、「富裕層」に手が届かないわけではない。望むならばFIRE達成も可能だ。

◇理論的にも「資産を持たないと損」

 今、世界中で「お金持ち」と「そうでない人」の二極化が進んでいる。

 その理由を知らしめたのは、2014年に世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』(トマ・ピケティ)である。その中では「長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい」ことが明らかにされている。言い換えると、「資本所得の伸び率は賃金の伸び率を上回る」ということ。もっと簡単に言うと、お金持ちはより裕福となり、労働でしか富を得られない人はいつまでも裕福になれないことを意味する。

【必読ポイント!】
◆「年収300万円」でもFIREできる
◇「年収が高くないとFIREできない」は誤解

 FIREを達成する上で最も大切なのは「年収に対する貯蓄(投資)の割合=貯蓄率」である。「年収が高くないとFIREできない」と思っている人もいるかもしれないが、それは誤解だ。年収がどんなに高くても、貯蓄率が低ければ、FIREは達成できない。

 投資リターンが年率5%だとすると、FIRE達成までの年数は以下のようになる。

 貯蓄率30%→約30年でFIRE達成

 貯蓄率50%→約17年でFIRE達成

 貯蓄率90%→約3年でFIRE達成

 年収1000万円で年間300万円貯蓄している人も、年収300万円で年間90万円貯蓄している人も、貯蓄率は同じ30%。どちらも、FIRE達成にかかる時間は約30年である。

◇4種類のFIRE

 FIREといっても、一切働かない人もいれば、少しだけ働く人もいる。FIREには、大きく分けて4つのタイプがある。