デジタルネイティブたちが選んだ告発手法

 3人の「告発」には、共通点がいくつかある。

 まず、3人とも20代前半と若いこと。いわゆるデジタルネイティブ世代であり、思春期の頃にはすでにSNSやウェブメディアに親しんでいたはずだ。

 また、3人とも顔出しで会見や取材に臨んでおり、匿名の存在ではない。

 これまでもツイッター上で告発やリークに近い投稿は見られたが、その多くは匿名であったり、あるいは拡散されるとアカウントごと消してしまうといったこともあった。

 3人の場合は、最初から大きな問題に発展することを望んだ、覚悟の告発であることがうかがえる。SNSの使い方が身になじんでいるデジタルネイティブ世代が、共感も反発も受けることを覚悟した上で、なるべく大きなインパクトを与える手段を選んだように見える。

 少し前まで、リークや告発、不祥事のスクープといえば週刊誌、それも週刊文春の独り勝ちという状況だった。ここへ来て、事件の当事者が自ら発信し、それをメディアが追いかける状況になりつつある。

 ちなみに、世間を大きく騒がせた「センテンススプリング」騒動(人気女性タレントと人気バンドメンバーの不倫騒動)は2016年1月。すでに6年前であり、今回の告発者たち3人は10代後半だった時期である。30代〜40代以降にとっては当時のLINE漏洩はいまだに記憶に新しいが、当時10代だった若者たちの視点では、文春よりもSNSなのかもしれない。