日本仕様は、“E-TECHハイブリッド”と
命名されたフルハイブリッド

 アルカナの欧州仕様は、1.6L直4自然吸気エンジン+モーターのフルハイブリッドと、1.3L直3ターボ+モーターのマイルドハイブリッドの2種。日本仕様は、“E-TECHハイブリッド”と命名されたフルハイブリッドだ。「ルノー独自開発」と紹介されるシステムはシリーズ式ハイブリッドをベースとしながら、エンジン出力を直接駆動輪に伝えるモードを備えたもの。その点ではホンダや三菱がすでに採用する方式と近い。ルノーの特徴は、エンジン側に4速、モーター側に2速の変速機を備える点にある。走行速度に応じた幅広い領域で、効率に優れたエンジン回転数を選択できるのが強みだ。

 変速機にドッグクラッチを用いることから、メーカーは「F1レースで培ったノウハウを活用」と謳う。と、同時にモーター出力を巧みに操って変速時のショックを吸収する仕組みも注目点である。

 実際のテストドライブでも、まずモーターの出力でスルスルと加速をした後、気づかぬ間にエンジンが始動。そちらが主体の走行になっている印象を受けた。

 変速時のショックは気にならず、エンジン回転数と車速がリンクしないラバーバンド感も薄い。ただし変速機は“4速AT”相当ゆえ、変速時のステップ比は大きい。上り勾配などで変速が繰り返されるビジー感が表れる場面もあった。この点だけはちょっと気になった。