ドイツから日本、ニュージーランドに至る先進国全般で経済成長率が鈍化したりマイナスに陥ったりしているが、労働市場は歴史的なひっ迫が続いている。「雇用豊富な景気後退」との観測が米国を中心に強まっている。米国は4-6月期の国内総生産(GDP)成長率がマイナスとなったが、7月の就業者数の伸びは50万人を超え、失業率は3.5%と新型コロナウイルス流行前の低水準に戻った。同じような謎の動きが世界中で起きている。ドイツでは、4-6月期のGDPが前期比横ばいとなった。同国はエネルギー在庫の払底に伴い、近いうちに景気後退入りする恐れがある。だが、失業率は40年ぶりの低水準近辺にとどまっており、企業の約半分は人手不足により生産に支障が出ていると指摘している。ドイツをはじめとするユーロ圏全体の失業率は過去最低水準にある。ニュージーランドでは、1-3月期のGDPがマイナス成長となったものの、失業率は3.3%と数十年ぶりの低水準近くを維持している。