コロナ,子ども,重篤化Photo:123RF

 家庭内に小さな子どもがいる場合、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した際に重症化しにくい可能性を示唆するデータが報告された。米カイザーパーマネンテ北カリフォルニア病院のMatthew Solomon氏らの研究によるもので、詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に7月27日掲載された。

 子どもはしばしば幼稚園や学校で風邪をうつされ、帰宅後に家族に感染させる。風邪の多くはコロナウイルスによるものであるため、このような経路で成人が軽度の風邪に繰り返し感染した場合、それがCOVID-19の重症化を防ぐように働くのではないかという仮説が存在する。Solomon氏は、「そのような仮説は多くの人の支持を集めている。われわれは、仮にそれが正しいとすれば、そのシグナルを既存のデータベースの中から見つけ出せるのではないかと考えた」と話す。そして得られた結果から、「この研究は、風邪をひくことがCOVID-19重症化から身を守ってくれることの証明にはならない。しかし、さらに研究を進める価値はあることが示された」と述べている。